■ 抄録・要旨
| 優先的に対策に取り組むべき有害大気汚染物質の1つである酸化エチレン(EtO)について、本県におけるこれまでの大気中EtO濃度の測定データを精査し、その特徴の把握を試みた。全国の大気中EtO濃度の年平均値は、平成12年度以降、横ばい〜微減傾向で推移しており、本県ではこれよりもやや高めに推移していることが分かった。経年変動のような長期的な変動は、県内の各試料採取地点で比較的共通しており、広域的な状況を反映していると考えられた。また、大気中EtO濃度の月平均値の推移については、各地点とも9〜10月に高くなる傾向が見られたが、試料採取地点の周辺の土地利用状況によって変動傾向に違いが見られた。こうした月平均値の推移に代表される短期的な変動は、より局地的な状況を反映していると考えられた。
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